こんにちは。
ペーパードライバー専門教習のHOP STEP DRIVE !!です。
今回のテーマは「縦列駐車」。
縦列駐車を強いられるシチュエーションは限定的ですが、必要な人には必要なテクニック。
縦列駐車方法は理解できると一般走行でも応用できる場面があるんです。

そこで今回は縦列駐車のコツと注意点についてご紹介していきます。
縦列駐車はイメージが大切
縦列駐車を実施する場合、まずはしっかりとした動きのイメージができるかどうかが大切です。
ハンドル操作により車体の向きがどのように変化していくのかを一般的なバック駐車などでイメージできるように練習しておきましょう。
縦列駐車が苦手な人は、ハンドル操作やミラーの見方といった「テクニック」ばかりに意識が向いてしまいがちです。
でも、実は一番大事なのは――最初に頭の中で“完成形”をイメージできるかどうか。
たとえば、バックを始める前の段階で、
・自分の車が最終的にどこに収まるのか
・どの角度で車を入れていくのか
・どのタイミングで車体をまっすぐにするのか
このイメージがないままバックを始めると、「あれ、どこに向かってるんだろう…?」と途中で不安になってしまい、ハンドル操作が迷走してやり直しが増えてしまいます。
コツは、真上から見た図”を頭の中に描くこと。
まるで自分がドローンで上空から駐車スペースと車を見ているようなイメージです。

そこに「今の車の位置」と「目指す最終位置」を重ねてみると、“どう動けばいいのか”が少しずつ見えてきます。
イメージしやすくなるコツは?
・紙にかんたんな図を書いてみる
・ミニカーなどで動きを再現してみる
・「駐車スペースにいる車を出庫する」、「出庫完了したところから巻き戻す」
・どのタイミングでハンドル操作が必要かを考える

縦列駐車は、感覚任せではなく「イメージをもとに操作する」ことでグッと安定してきます。
縦列駐車時の各タイヤの軌道をイメージ
縦列駐車ができる人は、ただミラーや車体の角度を見ているだけではありません。
実は、車の動きとともに4つのタイヤがどんな軌跡を描いているかを、頭の中でイメージしています。
たとえば、ハンドルを右にいっぱい切ってバックしたとき。
車全体が右に曲がるように見えますが、実際には――
- ・前輪(ハンドルが連動しているタイヤ)は大きく弧を描き
- ・後輪(特に内側の後輪)は、ほとんどその場を中心にくるっと回るような軌道を通ります。

ハンドル操作(一回転程度)したときの前後輪の軌道差
つまり、後輪が「コンパスの軸」のような役割をして(実際には小さい円で)、前輪がそのまわりを回っていくイメージに近いです。
ハンドル操作の多少によりこの円を大きくしたり小さくしたりすることができます。
縦列駐車を含めたバックでの駐車では、この“後輪がどう動いているか”のイメージを持つことがとても重要になります。
車をどこに収めるかを決めるのは、最終的に後輪の軌道です。
バックを始める前に、次のようにイメージしてみよう
- ・「この後後輪はどの方向に進んでいくのか?」
- ・「このまま下がると、車体はどんな弧を描くか?」
- ・「その弧の先は、ちゃんと駐車スペースに収まっているか?」

慣れてくると、タイヤの軌道が地面にイメージできるようになってきます。
縦列駐車で「ぶつかりやすい」ポイントを考える
縦列駐車って、なんだかいろんな場所をぶつけそうな気がするんだよねぇ。


実はぶつかるポイントはたくさんあるわけじゃなくて、だいたい決まった場所なんだ。
危険性の高い箇所を把握することで、目配りするポイントが絞ることができるので理解しておきましょう。
フロント側の動きを考える
まず一番よくあるのが、フロント(前側)の角をこすってしまうパターン。
バックでスペースに入れていくとき、車は後ろだけが動いているように見えて、実は前も大きく横に振られています。
とくにハンドルをいっぱいに切ったときは、前述のように前輪の動きにより車体の前角が外に膨らむように動くので、前の車や障害物に近づきやすくなります。
ここをイメージできていないと、「あっ…!」という一瞬が生まれやすい場所です。
リア部分の動きを考える
次に多いのが、後輪まわりと縁石や後ろの車との接触。
バックで切り込むとき、外側の後輪が縁石に乗り上げたり、車体後部が後方の障害物に近づきすぎたりすることがあります。
ミラーでも見えにくい位置なので、しっかり意識して行いましょう。
駐車場から出庫するとき
そして意外と見落とされがちなのが、縦列駐車のスペースから出庫していくとき。
前進出庫の際にハンドルを回すタイミングが遅れてしまい、フロントをこすってしまうという失敗パターン。
「角」以外はぶつかりにくい
縦列駐車においてぶつかりやすいポイントになるのはタイヤの周辺のボディ部分。
つまり「角」が特に注意が必要となりますが、逆にこの「角」以外の場所、ボディの「辺」にあたる部分はぶつかりにくいということでもあります。

ケアするポイントを絞って把握することでスムーズな動きにつなげやすくなります。
障害物検知レーダーをうまく利用して接触を防ぐ
最近の車には、縦列駐車や狭い場所での運転をサポートしてくれる障害物検知レーダーやソナー(超音波センサー)が標準装備されていることが多くなりました。
近くに壁や車などの障害物があると「ピピッ」と音によるアラートや画面で知らせてくれるので便利です。
メーターやナビ画面に「右後ろ」「左前」など、どの位置に障害物が接近しているのかが表示されます。

これは、今まで「感覚的」だった障害物との距離感を「視覚的」に把握することができるので非常に便利です。
このセンサーアラートは“車体と障害物の距離”を知らせる機能なので、ぶつかる直前に鳴るわけではありません。
「ピッ、ピッ、ピッ…ピピ、ピピ…ピピピピ!」と音の間隔が詰まり音量が大きくなっていくので、音の変化=距離の変化としてとらえることができます。
例えば初心者は、バックのときに「ピピッ」と鳴った場合、怖がってすぐに切り返してしまいがち。
この接近アラートの段階を聞き分けることができれば、音の鳴り方で「あとどれくらい接近可能か」が視覚的にわかるので安全に障害物のギリギリまで車体を接近させることができるようになります。
これは人の感覚よりも正確なので間違いがありません。
特に自分では見えない「死角」をカバーしてくれる心強い味方になってくれるのです。
このセンサー機能を“ただ鳴らせて終わり”にするのではなく、接触のリスクを減らしつつ車体周囲の空間を上手に活用できれば、難しい車庫入れや縦列駐車が楽になります。
もちろん、センサーはあくまで補助機能なので頼りすぎは禁物ですが、自分のイメージ+ミラー+センサーの3つを組み合わせることで、縦列駐車や車庫入れをマスターしていきましょう!
障害物センサーが反応したら
・どの方向のセンサーが反応しているかを確認する
・障害物との距離を詰めれるか否かを判断する
縦列駐車が活かせるシチュエーションとは?
縦列駐車の感覚を身につけることで、走行中の場面で役に立てることができます。
たとえば、住宅街でたまに遭遇するこんなシーン
・軽自動車がやっとすれ違えるくらいの細い道
・左右に塀や車が並んでいて、ちょっとでも膨らむと当たりそう
こういうとき、車を“斜めに差し込んで自車位置をズラす”動きは、まさに縦列駐車で使う感覚そのもの。

状況により障害物や人との位置関係は複雑化しますが、動きのイメージができれば「狭い道で身動きが取れなくなって焦る…!」というシーンが一気に減ります。
また、縦列駐車で学んだ「車体と周囲との距離感」や「タイヤの軌道をイメージする力」は、狭い道でのすれ違いやバックでの脱出にもそのまま応用できます。
特に車体のフロント部分がどう膨らむかを把握できていると、余裕を持って操作できるようになります。
つまり縦列駐車って、単なる駐車テクニックではなく「限られたスペースで自在に車を動かすコントロール力」を育てる練習でもあるんです。
最初は非常に難しく感じますがこの感覚がつかめれば、街中のちょっとした狭路でも落ち着いてハンドルを切れるようになりますので諦めずに何度も動きを練習してみてください。
縦列駐車のコツに関するまとめ
今回は、縦列駐車の注意点やコツについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
内容をまとめると、
縦列駐車のポイントのまとめ
・動きをイメージできることが大切
・特に4つの車輪の動きを理解していくことが上達や応用につながる
・車体のぶつかりやすいポイントを理解する
・障害物センサーなどをうまく活用しよう
・縦列駐車の動きは実践的な場面にも応用できる
バックの動きは一朝一夕では難しいですが、ポイントをしっかりと意識することで上達が早まりますので頑張ってみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!