
みなさんこんにちは。
ペーパードライバー専門教習のHOP STEP DRIVE !!です。
都市部のマンションを購入して意外と悩まされるのが、駐車場の問題。
特に機械式駐車場と平置き駐車場の選択肢がある場合にはどちらにしようか一度は検討することになります。
機械式駐車場は、平置き駐車場に比べて駐車料金が安い代わりに駐車の難易度格段に高く、ペーパードライバーや初心運転者にとっては大きな悩みの種となります。
ただでさえ機械の操作があり入出庫に時間のかかる機械式駐車場。
慌てずに効率よく入出庫ができるためにはどんな事に注意を向ければいいのでしょうか?

今まで100ヶ所以上の戸建て・アパート・マンション駐車場にて駐車指導を行ってきた経験から、機械駐車場の駐車のコツや入出庫でのトラブル事例をご紹介していきます!
機械式駐車場のタイプと所要時間は?スムーズな入出庫が求められる理由

機械式駐車場のタイプと所要時間
まず機械式駐車場にはどんな特徴があるのでしょうか?
駐車場の種類は大きく3つのタイプに分けることができます。
機械式駐車場のタイプ
- 単純昇降式
- 横行昇降式
- タワー式
- 単純昇降式
- パレット(車をおさめる金属製の床板)を昇降させるシンプルなタイプ。
小規模のマンションなどに多く、出庫の所要時間は1分程度と短い。

- 横行昇降式
- パレットが昇降と横移動するタイプで、パズルのように動かす。
より多くの台数が収納可能なため、中規模のマンションに多い。
出庫の所要時間は最大でも2分程度と比較的短時間。

- タワー式
- 入出庫を前進で行うため、高度な駐車テクニックがいらない。
ターンテーブルがある場合は、角度を調整して入出庫させる。
大規模なタワーマンションなどに多く入庫可能台数も最多。
所要時間は2〜5分程度かかる。

最新の機械式駐車場はEV充電器付も
昇降式でも遠隔で操作ができるリモコン操作可能タイプがあったり、タワー式にはフレキシブル移動タイプで時短が可能になったり、EV車に充電可能なタイプもあります。
時代とともにアップグレードされてるね!

機械式駐車場でスムーズに出し入れできないとどうなる?
機械式駐車場ではパレット呼び出し操作自体に時間を要するため、入出庫がスムーズに行われないと余計に時間がかかります。
通勤・帰宅時間などは車の出し入れが他の利用者と重なりやすく、何分も待たせる事になると不満や焦りにもつながります。

住民トラブルや接触事故を防ぐために、スマートな入出庫の練習が必要不可欠!
機械式駐車場の入庫可能な車両の大きさ

機械式駐車場の入庫可能な車の大きさは?
機械式駐車場の入庫可能サイズは、駐車場の種類や設置場所によって異なりますが、一般的な制限は以下のようになっています。
- 全長:5,000mm以下
- 全幅:1,800mm以下
- 全高:1,550mm以下
- 最低地上高:130mm以上
- 重量:1,700~2,000kg以内
例えばホンダ・ステップワゴンの場合を見てみましょう。
ホンダ・ステップワゴンのサイズは以下の通りです。
- 全長: 4,800mm(AIR)、4,830mm(SPADA)
- 全幅: 1,750mm
- 全高: 1,840mm~1,855mm(グレードによる)
- ホイールベース: 2,890mm
- 最低地上高: 145mm~150mm
- 車両重量: 1,710~1,840kg
一般的な機械駐車場のタイプと見比べると、
- 全長:5,000mm以下 →〇
- 全幅:1,800mm以下 →〇
- 全高:1,550mm以下 →✕
- 最低地上高:130mm以上 →〇
- 重量:1,700~2,000kg以内 →〇
全高のみオーバーサイズとなっているため、全高1,900mm以上が可能な駐車場での契約が必要になります。
この最低地上高って?


最低地上高は、地面と車両の最も低い部分との距離で、低すぎるとパレットのレール部に引っ掛かってしまうんだ。

中央に突起がないフラットタイプもあるみたいね。

注意ポイントとして、実際に入庫する際は車検証上の数値ではなく実測値で考えなければならない点です。
つまり、車体に載せるルーフキャリアやルーフボックス、予備のタイヤなどの付属品の大きさは含まれていません。
また、アンテナやサイドミラーを広げた(立てた)大きさも車検証記載の車体幅や車高からはみ出してしまうので入庫時は格納しておく必要があります。

重量に関しても同様で、積み荷などを含む総重量を基準値以内にしなければいけません。
機械式駐車場って結構大変ね!

機械式駐車場で実際に発生している重大事故やトラブル
機械式立体駐車場では、ひとたび事故が起こると非常に深刻な結果を招く可能性があります。
特に、マンションの駐車場での事故が多く、全体の半数以上を占めています。
事故の主な原因は、装置内に人がいないことを確認せずに動かしたことや、子どもの予期しない行動による危険な接触です。
令和6年1月9日 東京都文京区 平面往復方式 同乗者重傷
同乗者(後部座席に2人)を乗せて入庫、運転手が場外へ退出後、現地操作員が同乗者が乗っていることに気付かず地下へ格納した。格納後、同乗者が格納庫から脱出しようとしたところ転倒し、被害にあった。
令和3年6月12日 兵庫県神戸市 昇降横行ピット式 運転者死亡
運転者が車を入庫中に、搬器のタイヤ止めを乗り越え、さらに装置後部のフェンスを突き倒し、約10mの崖下へ車ごと転落した。
令和5年5月13日 東京都立川市 昇降・ピット式 運転者重傷
利用者が車両出庫時、パレット隙間からスマートフォンを落としてしまい、ピット内に侵入し転落して被害にあった。

対人検知センサーや防護柵など安全装置が義務化されていますが、人為的ミスによる事故までカバーしにくいのが課題です。
他にもオーバーサイズの友人の車を入れて接触事故になるトラブルなどもあります。

確認不足などの人為的ミスによる機械への損傷が発生してしまった場合、修繕費が高額になってしまいます。
一度不具合が発生した機械駐車場を修理するとなると安全上車の出し入れが不可能になり利用者全員に迷惑がかかることになりますので確認は入念に行いましょう。
機械式駐車場か?平置きか?それぞれのメリットとデメリットは?

機械式駐車場のメリット・デメリット
機械式駐車場の場合、駐車場のタイプや置いてある位置にもよりますが以下のようなメリットやデメリットがあります。
機械式駐車場のメリット
- ・いたずらや盗難の被害にあいにくい
- ・日光や風雨からの劣化をふせげる(地下収納型、タワー型)
- ・浸水被害をふせげる(地上より高い場合)
- ・平置き駐車場に比べて駐車費用が安い
機械式駐車場のデメリット
- ・車出しに時間がかかる
- ・(昇降式の場合)高い駐車技術を要する
- ・車両の大きさが制限される
- ・浸水被害や地震での横揺れによる被害
- ・忘れ物をすると面倒
- ・上の車両やパレットからの汚れを受けることも
- ・事故が発生しやすい
平置き駐車場のメリット・デメリット
平置き駐車場でのメリットやデメリットは以下のようなものがあります。
平置き駐車場のメリット
- ・車や荷物の出し入れが楽
- ・乗り降りが安全
平置き駐車場のデメリット
- ・機械式に比べ駐車料金が高い
- ・盗難やいたずらの被害にあいやすい
- ・日光や風雨による劣化
費用と安全面の両方の視点で慎重に選ぶ必要がありそうね。

見落としやすい接触ポイントは?機械式駐車場への駐車のコツ

車体が接触しやすいポイントはココ!
昇降横行式駐車場の場合、建造物の関係上非常に狭い空間の中に車を納める必要性があるため、接触事故も多くなります。
どんな場所を接触させやすいのかを把握しておきましょう。
接触しやすい箇所
- ・サイドミラー
- ・バンパーの四隅


サイドミラーは入庫していく際に入口の両側の支柱に、
バンパーはハンドルで旋回中に支柱や障害物にぶつけやすくなっています。
機械式駐車場の出庫のコツ
出庫の際にはレールがあるためハンドル操作ができません。
ハンドル操作が必要な出庫の場合は、レール部を後輪が超えたら操作可能になるので、支柱への接触にも注意をしながら出る必要があります。

両側の柱にも注意してぶつけないように確認しながら出ましょう。
機械式駐車場の入庫のコツ
入庫の際が最も難しいですが、ポイントはレールに対してできる限り垂直に真っ直ぐ入ること。
少しでも斜めになっている状態では、レールの側面にタイヤが接触してしまうため細かく切り返しをしながら微調整していきましょう。

また、入口付近で切り返しをする際には前後の支柱や障害物にも注意が必要です。
車体の後方が入ったら側面の支柱にサイドミラーが接触しないかを目視で確認しながら後退していきます。

ハンドル操作をして旋回する場合の前輪と後輪の軌道の違いが把握できるようになるとスムーズな入庫につなげやすくなります。
最終的に車両スペース後方の車輪止め位置に後輪をしっかりと納めましょう。

強すぎるアクセルは後方への追突につながるので、ブレーキとの切り替えや細かく微調整できるように練習しておこう。
機械式駐車場に関するまとめ
今回は、機械駐車場の駐車のコツや入出庫でのトラブル事例について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
内容をまとめると、
まとめ
- 機械式には様々なタイプがあり、入出庫のしやすさが違う
- 機械の規模に待ち時間が比例する
- 事故防止のため機械の操作から安全確認を
- 入出庫では接触しやすい箇所を意識した操作を
機械式のメリットデメリットをより理解したうえで長く付き合っていきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました!