みなさんこんにちは。
ペーパードライバー専門教習のHOP STEP DRIVE !!です。
駐車の練習をしていると、よくこんな声があがります。
「あれ?自分がどこに停めようとしてるのか分からなくなっちゃった・・」
これはペーパードライバーのような初心者にとっては結構あるあるではないでしょうか。
駐車練習をする場合、最初は広めのすいている駐車場を選択しますよね。
こういった空いている駐車場の場合、駐車線がたくさん引いてあるため正直どこに入れたらいいのかわからなくなってしまいます。

この記事では、「初心者がなぜ駐車スペースを見失うのか?」という原因と、"迷わないための実践テクニック"をまとめていきたいと思います。
初心者がなぜ駐車スペースを見失ってしまうのか?
では初心者が駐車をしようとするとき、自分からそんなに離れていない場所に停めようとしているのにに、どうして見失ってしまうのでしょうか?
それには次のような理由が考えられます。
1.明確に駐車スペースを決めていない
駐車を開始する際に、明確に停める場所を決めずに後退してしまうことが多いです。
これはゴールを決めずにスタートしているようなものです。
まずは、しっかりと自らが駐車を試みるスペースの位置を決定しておきましょう。

上の図のように、手前から事前に「あそこに入れるぞ」と決めて置くのがベストです。
2.直角バックから駐車を開始しようとする
商業施設の駐車場ではほとんどの場合、駐車枠は通路に対して“直角”に整列しています。
通常であれば、駐車スペースとは反対側へ車体を傾けて(逆フリ)から後退を開始していきますが、この方法を理解していない初心運転者は、特に角度を変えることなくいきなりバックを開始してしまいます。

なぜ見えなくなる?
- ・直角バックの場合、車体がスペースよりもかなり前方に出るため死角になる
- ・斜め後ろにある枠線はバックミラーにもサイドミラーにも映りにくい
- ・位置関係の記憶が曖昧
結果として、「あれ?どの枠だったっけ?」と見失う原因となってしまいます。
2. 駐車枠の“目安となるもの”がないから
駐車場には、
駐車の目印となるもの
- ・消火設備
- ・街路樹
- ・街灯
- ・端の駐車スペース
- ・車輪止め
- ・隣や後方の駐車車両
- ・建物の支柱
など、“駐車位置を覚えるための手掛かり”が結構あります。
目印となるものには特に「これでなければいけない」という決まりはありません。
日陰や水たまりなど自分で目印にできるようなものなら何でもいいです。

逆に、そういった目印となるものの乏しい駐車スペースに停めようとすると、枠同士が似すぎており、パッと見て区別するのが非常に難しくなります。
目印が弱いと、人の脳はすぐに忘れる仕組みになっています。
3. 動きの中で注視ポイントが変化する
駐車するときの視線は次々に変化し続けます。
一般的には次のような流れで視点が動いていくことが多いです。
- ①停める駐車枠を確認する
- ②車の前方を確認
- ➂後方ミラーを見る
- ④ハンドルやチェンジレバーを操作
- ⑤再びサイドミラーで枠を見る
この一連の流れの中で車の動きも加わるため、最初に見ていた”駐車枠がどこにあったのかという情報”は徐々に薄れます。
4. 駐車枠の位置を“イメージできていない”
駐車が得意な人は、駐車スペースが見えなくなっても、頭の中で駐車スペースと車の位置関係を把握しています。
移動した時に駐車枠が自分からみてどの方向にあるかを把握しながらイメージすることが必要になります。

どうすれば自分の駐車スペースが迷わず分かりやすくなる?
では駐車スペースを見逃さないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?
ここからは“実践的な改善テクニック”を紹介します。
1. 「指差し呼称」で駐車スペースを確認する
「指差し呼称」はしっかりした確認や意識づけをするために、鉄道や工場で事故を減らすために使われている方法です。

前述のように、駐車スペースを確認できるところから「あそこにとめよう」と決めておくのがベストです。
駐車場で駐車の練習をしていると、駐車場所を決めきれずにダラダラと駐車場内を巡回してしまいがちですが場所を決断することも駐車の技量の一つ。
決断すること自体はそれほど難しくはありませんよね。
その後、駐車スペースに近づいてきたら、次のことを意識してみましょう。
バック開始前に
- ・「この枠に入る」
- ・「右側の白線はこれ」
- ・「左側の白線はこれ」
と、指でさして声に出す(または心の中で言う)。

すると脳の“短期記憶”が強くなり、見失うリスクが激減します。
これは初心者ほど効果が高くなります。
2. 駐車スペース以外に”目印”を設定する
駐車スペースだけでは他の枠と混同してしまい、紛らわしくなってしまいます。
そこで、駐車スペース付近に何かしらの覚えやすい目印を見つけてみましょう。
例えば
- ・駐車スペース後方に木
- ・脇の消火設備
- ・傾いた車輪止め
- ・他の車
- ・日陰

目印があることで白線が見えなくなっても、「あの車がミラーで確認できるまでは進めるな」というように大まかな場所の把握が楽になりますので、枠の位置を再認識しやすくなりますよ。
慣れているドライバーは無意識的に、スペースそのものより隣の車などを基準にしています。

そのため、あまり駐車スペースを意識しなくても駐車を素早く完了させることができます。
3. 角度をつけてからバックを開始する
駐車スペースの反対方向へ車体を傾けてから下がることでサイドミラーの中に駐車スペースをとらえたままさがることができます。
これにより見落としを防ぎながら駐車をスムーズに完了することができます。
車体を傾けるメリット
- 枠線がサイドミラーに入りやすくなる
- 枠の延長線上に車が向くため、見失いにくい
- 車の軌道上に駐車スペースがくるため、無駄な切り返しが減る

駐車が上手い人は100%これをやっています。
4. “駐車スペースがどう映るか”を事前に理解しておく
駐車場に行ったら、一度停めないでミラーだけの練習をするのも有効な手段になります。
例えば
- ・右側の白線はどのくらいの角度になるとサイドミラーに映る?
- ・枠と車体が平行になる瞬間はどう見える?
- ・ハンドルによる車体の動きの関連性は?
車の角度が変わっていく中で、駐車枠や、目印になる車などの見え方がどのように変わっていくのかを予めイメージしておくことが重要です。
また、各ミラーの映し出す範囲も合わせて把握しておきましょう。

これを知っておくだけで、バック中の“認知のズレ”が一気に解消されます。
自分のイメージと駐車スペースの見え方が一致するようにミラー確認を繰り返していきます。
5. ハンドルを切るタイミングの“再現性”を持つ
慣れている人は、駐車スペースに近づいたら毎回ほぼ同じタイミングでハンドルを切ります。
再現性があると、迷ったときにも“いつもの手順”が道しるべになります。
「駐車スペースの○○の横でハンドル操作する」などまずはいつでもほぼ同じタイミングでハンドル操作ができるように意識してみましょう。
まとめ|”駐車スペースを見失わないこと”がスムーズな駐車の第一歩
今回は、駐車スペースを見失わないようにするための方法について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
駐車スペースを見失うのは注意力不足でも運転センスの問題でもありません。
最初はむしろ自然なことです。
駐車スペースを見失わないコツははっきりしています。
今回のポイントをしっかりと押さえて練習してみましょう。
まとめ
・指差し呼称で記憶を強化
・動かない目印を設定する
・枠がミラーでどう映るかを理解する
・駐車手順の再現性を身につける
これらを意識すれば、駐車の“迷子問題”は驚くほど解消します。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この他にも駐車のためのいろいろな方法を紹介しています。
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