
みなさんこんにちは。
ペーパードライバー専門教習のHOP STEP DRIVE !!です。
運転初心者にとって車線変更はかなりこわい運転行動の一つ。
車での中距離移動や、カーナビによる案内では多車線の幹線道路を使うことがほとんどです。
「車線変更ができるイメージがわかない…」
「車線変更のコツってあるの?」


という方のために、今回は車線変更をスムーズに行うポイントとコツについてお伝えします。
車線変更ができることのメリットは?
はじめに車線変更が自由自在にできることはどんなメリットがあるのでしょうか?
車線変更ができると
- ・道路全体の流れが広く捉えられるようになる
- ・自車と他車の距離感や速度感の違いがつかめるようになる
自車周りの動きを空間的にとらえることができるようになると大幅に事故リスクを減らすことにもつながるため、車線変更は運転には必須のスキルといえます。

車線変更は初めは難しく感じますが、まずは基本から一歩づつ身につけていきましょう!
車線変更の予備知識!進路変更のルールと禁止事項

「車線変更」は、進路変更といわれる行動の一つです。
進路変更の方法
進路変更とは
進路変更とは、自車の走行位置を変える行為です。
・右左折の前に中央線や側端に寄せる
・駐停車車両をよける
・車線変更する
などのときに実施します。
進路変更の方法
・ミラー等で安全確認をする。
・3秒前に合図を出す。
・実施中は合図は継続し、終えたらすみやかに消す。
参考:「交通の方法に関する教則 第5章 自動車の運転の方法 第5節 進路変更など」

常に伝わりやすい合図を心がけると突発的な事故が減るよ!
進路変更のルールと禁止されている場所
進路変更は道路交通法によってその行為を禁止されている場合や場所があります。
進路変更の禁止
”車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
2 車両は、進路を変更した場合にその進路を変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
3 車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。”


簡単にいうと、次の進路変更は禁止。
・むやみな進路変更
・危険をともなう進路変更
・進路変更禁止の標示場所での進路変更
危険な場合は当然ね!

進路変更禁止の例外
ただし、例外もあります。
進路変更禁止の例外
”一 第40条の規定により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。
二 第40条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかった車両通行帯を通行の区分に関する規定に従って通行しようとするとき。”

道交法第40条の「緊急自動車の優先」に従ったり、道路の破損や道路工事などでやむを得ないときは例外になるよ。
これも当然ね。

進路変更禁止の標示例
では実際に進路変更禁止場所に関わる通行の仕方を見てみましょう。

Aの場合
車の左右に進路変更禁止の道路標示があるため、左右ともに進路変更(車線変更)はできません。
Bの場合
この場所では進路変更禁止(黄色の実線)の標示側からは進路変更が禁止されていますが、通行帯区分線(白の破線)側からは進路変更(車線変更)が可能です。
Bは高速道路の合流地点でよく見るわ!

Cの場合
左折専用の指定通行区分に従わないで交差点を直進してしまうケースです。

これは指定通行区分違反となります。
ちなみに直進も兼用しているレーンであればOKです。
都内などでは進路変更禁止標示がわかりやすくなっている
2021年、黄ペイントの矢羽型の表示が新設されました。
この表示は、進路変更禁止区間の手前にある「進路変更禁止の注意喚起表示」です。
注意喚起区間にある黄色の矢羽根部分での進路変更は禁止行為にはあたりません。
ただし従来の道路標示どおり交差点手前の黄色の区分線の部分での進路変更は禁止されています。

進路変更禁止違反の罰則
進路変更禁止の違反をしてしまった場合の違反点数は1点です。
反則金は、大型車が7,000円、普通車と二輪車が6,000円、小型特殊と原付が5,000円となっています。
大型車 | 普通車 二輪車 | 小特 原付 | |
反則金 | 7,000円 | 6,000円 | 5,000円 |

進路変更禁止違反行為はよく見かけるので注意しましょう!
車線変更ができるようになるコツは?


それでは本題に入っていきましょう。
車線変更のコツ~基本編~
基本的な車線変更に必要な条件はたった2つです。
車線変更に必要な2つの条件
- ①他車と速度を合わせる(速度の同調)
- ②ミラーで後方車のナンバーが見えているかを確認する(距離感の把握)
ではなぜこの2点が車線変更に必要なのでしょう?
①他車と速度を合わせる(速度の同調)
車線変更では、同一方向に流れる車の中に進入していきます。
この時、進入する車線の車の速度と同調していることが流れを壊さずに進入する大切なポイントとなります。
自車の速度が遅すぎる状態のまま進入した場合、後続車両にブレーキを与えてしまうことになります。

反対に自車の速度が速すぎる状態のまま進入した場合、前車に急接近してしまいこちらも危険です。

つまり、車線を変更する前に可能な限り速度を同調させることで進入車線側の流れに溶け込むように合わせることができます。


これが速度を同調させる理由です。
②サイドミラーを使った距離感の把握
車線変更時にはサイドミラーでの距離感の把握が重要になります。
サイドミラーに後方の車両が見えるとこのように映ります。

A車はミラーから見切れており車両全体が見えません。
この場合、A車は自車の後部座席横に位置していることになります。
対して、B車は(A車がいなければ)フロント部分がしっかりと見えています。
この場合、B車は自車と車両約一台分の距離に位置しています。
A車とB車を俯瞰でみると実際にはこのような距離感になっています。

つまり、B車のようにサイドミラーに車両のナンバーやライトなどのフロント部分が見えている状態、かつ速度が同じであればこの距離を保ち続けることができます。

これがサイドミラーで距離感を把握する理由です。
以上の理由から、上記の車線変更に必要な条件を満たすことで車線変更が実行しやすくなります。

経験上、この条件で9割くらい成功できます。
あとは交通状況を考慮して実行する・しないを決定しましょう。
車線変更のコツ~応用編~
でも基本のやり方だけでは渋滞とか、停車車両がいるときは難しいんじゃない?

たしかに渋滞などで混雑していたり路肩に止まっている車がいる場合は、基本のやり方だけでは難しくなってきます。
その場合にはどうしたらよいのでしょうか?
合図と動きで車線変更の意思を伝えるのがポイント
その場合には、次のポイントを意識して車線変更してみましょう。
高度な車線変更テクニック
- ①進入側の車両の間に自車位置をキープする
- ②合図を出して車線変更の意思を伝える
- ③走行位置を変更する側にゆっくりと移動する

合図と共に動きでも車線変更の意思を伝えると、後続車により明確に伝わり、進入させてもらえる率が格段に上がります。
実行するには車両間に常に自車をキープするというより細やかな走行位置の速度調整力と、相手が進入させてくれようとしているか否かを見極める洞察力が必要となります。

基本ができたらチャレンジ!
初心者が失敗してしまう車線変更のパターンは?

失敗するパターン
- ・速度の同調ができていない
- ・距離感に自信がもてないためタイミングを逃してしまう
- ・道路全体の情報が読み取れていない
速度の同調ができるようになるトレーニング
まずは基本的な道路での走行がおおむね安全に行うことができるのが前提になります。
STEP1 細かくアクセルを微調整したり、力強く踏めるように練習する
アクセルを最小限の力でできるだけ細かく踏んだり、最大限の力で踏めるように練習します。
この練習はエンジンを切った状態でもできます。
STEP2 他車と速度をぴったりに合わせる練習をする
つぎに、2車線以上の道路で隣を走っている車と「速度をピッタリ合わせる」という練習をします。
自車と相手の車の距離を一定に保てるように意識します。
もちろん信号などが変わったりしますので、状況変化にも落ち着いて対応できるように道路全体を把握することも忘れずに。

すばやくできれば車線変更がかなり楽になります。
距離感をつかむためのトレーニング

「サイドミラーを見ても距離感がつかめない」のは、ミラーを見慣れていないことが原因です。
ミラー確認は慣れれば簡単なのですが、運転に苦手意識を持っている方にとっては最初はものすごく怖く感じるでしょう。
STEP1 座席位置が適切か見直す
適切な座席の位置とは運転席に座って前方を見た時に、ルームミラーと右サイドミラーが視界の中に入っている位置です。(左ミラーは除く)
理由は、ミラー確認の視点の動きを最小限にできるから。
特に女性の方は座席が前になりやすいため、ミラー確認がしにくくなりがちです。
首を動かしてのミラー確認は視点移動が多くなり、恐怖感が克服できません。
座高調整レバーやクッションなども活用してできるだけミラー確認がしやすい座席位置を見つけてみてください。
STEP2 ミラーを見ることに慣れよう
つぎに「ミラーを見る」という行為に慣れる必要があります。
初めは止まった時に見るように意識しましょう。
ある程度慣れてきたら減速時や低速時に見る、曲がる前に見るなど回数を増やしてみてください。
なるほど、「見る」ストレスを減らすのね。

道路全体の情報が読み取れていない
こういった傾向の方はおそらく片側一車線の走行でも視点が近くなりがちです。
車線変更の実行にとらわれすぎて信号の変わり目でのブレーキの遅れや坂道での加減速がうまくいかない場合には次のような意識で走ってみましょう。
数台先の車の動きや数カ所先の信号の変化を意識して走る
走行中は、目の前の信号や前車の動きではなく数カ所先の信号や3台くらい先の車の動き、できればその先にどのような交通状況の変化が発生しているのかを意識して走行してみましょう。
慣れてくれば先々への予測ができるようになるため、視野が広がって自分の意思で視点が動かせるようになってきます。

道路標識を読み取る練習も効果があるのでこちらの記事もぜひ参考にしてみてね!
車線変更のまとめ
今回は車線変更ができるようになるためのルールやコツを解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
内容をまとめると、
まとめ
- ・進路変更のルールと禁止事項を覚えよう
- ・車線変更の基本は「速度の同調」と「ミラーでの距離感」をつかむこと
- ・上手くできない場合は何が必要なのかを見極めて改善する
車線変更は最初は苦手意識が強いと思いますが、ポイントをしっかり押させて反復練習することによって誰でもできるようになります。
実際のペーパードライバー講習でも多くの方々に「コツがつかめた」と喜んでいただけています。
みなさんの運転上達のための手助けに少しでもなればと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!